「お食い初め」と「お宮参り」を混同して次のような不安の声があります。
お食い初めって、お宮参りと同時でも構わないの?
それとも、やはり順番があるのかしら?
そもそも、しなくてはならないものなの?
確かに最近は「お宮参り」が雑誌などで取り上げられ、その後に便宜的に親戚一同で祝う会食が「お食い初め」として広まっているため、ともすると何の会食か意味不明なまま、みんながやっているから乗り遅れまいと実施している傾向もあるようです。
お宮参り
お食い初め
お食い初めも主役は他でもなく赤ちゃんになります。ですから「お宮参り」の後に会食をお食べ初めにするのは、母子の体力に支障がなければ問題ないということになります。
つまり、母子の健康次第で決定していいのです。もう少し具体的に見ていきましょう。
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目次
「お食い初め」ってそもそも何?
赤ちゃんは100日頃に乳歯が生え始めます。「生涯、食べることに困らないように」との願いを込めて食事をする真似をさせる儀式で平安時代から行われてきたと言われています。(江戸時代になると、魚、5個の餅、吸い物、酒などの膳にのせて供する食物をそろえ幼児に食べさせる真似をしていたらしい)
伝統的な「お食い初め」の形
- 一汁三菜の「祝い膳」となります。鯛など尾頭つきの魚、赤飯、焚き物、香の物、紅白の餅、吸い物、歯が丈夫になるようにとの考えから歯固め石が供されます。
歯固め石
- 地元の神社の境内から授かるもので、儀式が終われば再び境内へ納めます。関西地方では小石の代わりにタコを供する風習が存在します。食器は正式には漆器で高足の御膳にしつらえます。簡単にするなら、祝い膳として、離乳食を用意し離乳食へ切り替えのきっかけとしても構わないとされています。
現代のお食い始めの儀式は、親族の中で長寿の人が行います。これは長寿にあやかる意味があり、男の子なら祖父、女の子なら祖母から行います。赤ちゃんの口に食べ物を運び食べるまねを行います。
お食い初めの食べ方の順番は、ご飯、汁、ご飯 魚、ご飯、汁の順番に三回食べさせるまねをします。「歯固めの儀」のいわれは「小石のような硬いものでも食べれるぐらい丈夫な歯を授かるようにという願いを込めたものとされています。
歯固めの儀
1.小石を用意する。
3個の地域が多いのですが、なぜ3個かはこれといった説はないそうです。
2.小石を赤ちゃんにかませる。
かませるのが難しければ、小石に触れた箸を赤ちゃんの口に触れて「歯が丈夫になりますように」と祈願するのです。
3.小石を半紙に包み臍の緒と一緒に保存する。
氏神様から頂いてきた場合は、その庭にお返しておくとか言われますが、地域によって様々です。
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「お食い初め」の食事とは
お食い初めの食事の中身は、尾頭つきの魚、赤飯、焚き物、香の物、紅白の餅、吸い物などです。外食にこだわらず、自宅で用意しても良いのです。おめでたいもの、縁起の良い物が好まれます。
用意するもの | 内容/説明 |
ご飯 | お赤飯 |
縁起物として海老 | 海老は長寿を表わし、赤ちゃんが長生きするようにという願いがこもった献立になっています |
煮物 | 旬の野菜を取りいれ、季節感のある材料を用います |
昆布 | 「よろこんぶ」の語呂合わせとして用いられます |
酢の物 | バランスの良い献立になります |
香の物 | 彩り薫りよく仕立てます |
汁物 | 改まった席にはすまし汁が用いられます |
これらの料理に加え、丈夫な歯が生えるように歯固めの小石と長生きできるように梅干を添える習慣もあります。
また、二の膳として紅白の餅を五つ添えるのが本格的なものです。ちなみに食器は全て新しいものが揃えられます。膳は足がついたもの。原則的に祝い膳としては、食器は正式には漆器で高足の御膳にしつらええます。
器の漆の色
食器セットは日常的に使用するもので買い求める家庭が多くなっています。神社によっては、お宮参りの授与品にスプーンや箸のセットをつけてくれるところもあります。
ただ自宅で祝い膳をつくるのは大変な作業でもあります。そういう場合は、お取り寄せとか外食をしてもいいでしょう。
外食する場合
割烹とか料亭にはお宮参りセットが用意されています。個室もあるところを選べば、赤ちゃんの泣き声も気にしなくてすみますし、赤ちゃん用ベッドを用意してくれる店もありますから安心できます。
お食い初め膳も用意してある店もありますから、華やかな祝い膳は思い出づくりに一役買ってくれるでしょう。
ご自宅でお食い初め料理を食べるなら手間のかからないお取り寄せサービスを利用するのも手ですね。
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お食い初めとお宮参りの日程は個別な事情と状況から判断してOK!
赤ちゃんは体力、免疫力が充分でなくちょっとしたことで病気に掛かりやすいということを忘れてはいけません。
長時間の外出は控え、外出中でも休憩が必要となってきます。暑さ寒さや直射日光、紫外線に注意が必要で、暑い真夏のお参り、寒風吹きすさぶ真冬のお参りも難しいでしょう。
事例
このように各家庭には生まれ月、赤ちゃんの体調など、様々な事情が関わってきます。また、ママたちの産後の肥立ちの状態も一様ではありません。そういう状況下、みんなと同じパターンで同じ行動をするということは無理なことです。
「ママが子供の体調にも気を遣い一番良いと思った日でお宮参りする」の形が、結局は無理のない計画が立てられます。細々としたしきたりにこだわらず、ひとえに赤ちゃんの健やかさを願い、その体調からスケジュールを立てていけば、神事といえどその行事に相応しい日とすることができるでしょう。
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お食い初めの100日にお宮参りを合わせる方が合理的!
お宮参りは31日位ですと新生児期の赤ちゃんは、首もすわっていないし、体温調節もうまくできていなくて免疫機能も整っておりません。
この頃の赤ちゃんは気温の変化に対応できませんので、衣服やおくるみなどで気を配り適温にしなければなりません。しかも、免疫力のない赤ちゃんの感染にもかかりやすいのです。
また、ママにしても産後間もない頃でデリケートな時期でもあります。こういう状況の下で、赤ちゃんは体調を崩したりしないとも限りません。
特に、暑さ寒さ直射日光などに注意するのはもちろんのことですが、交通機関も混む時間帯は避けなければなりませんから、お宮参りに行くのにもママは気を使います。
ところが、三ヶ月を過ぎて100日経つと、赤ちゃんは歯が生え、首もすわり、免疫力も出てきて、外出に充分耐えられるようになります。ママの方もお産疲れを脱してすっかり元気を取り戻しているでしょう。
このように考えますと、「お宮参り」も「お食い初め」も100日に合わせてしまう方が合理的かもしれません。
寒冷地区
確かに生後31日よりも100日のほうが、健康面での懸念も少なく、参加する義理の父母もゆったりと余裕を持ってお祝いができるのではないでしょうか。
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まとめ
せっかくの赤ちゃんの思い出づくりと張り切りすぎて、ママも周辺の方々もついつい無理をしてしまいがちです。頑張ってみたものの、結構しんどかったというママも少なくありません。
「お食い初め」と「お宮参り」は同時でも大丈夫で順番はありません。どういう時期に、どう参拝するのかは、赤ちゃんとママの体調と事情を鑑みてあなたに最適なお宮参りを実現すればいいのです。
一例
それで怒るような心の狭い神様はいません。
お産の肥立ちはちょっとつまずくとメンタルの部分に影を落とすこともあります。あまり焦らず、気負わず、マイペースを崩さずに、赤ちゃんの体調や天候にも見定めて、一番良いと思われたその日こそお宮参りにふさわしい日になるでしょう。
ぜひあなたの赤ちゃんの思い出に残る素敵な「お食い初め」と「お宮参り」を実現してください。
お宮参りのママの服装は「参考 お宮参りの母親はどんな服装がいいの?ポイントと対策はこの5つ!」でポイントと対策を確認してみてください。